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2024.04.03(Wed)

なかなか治らない痛みの治療法!インソール療法とは??

患者さん
患者さん

「ランニングすると膝に痛みが出る」「姿勢が変とまわりに言われるようになった」
「腰の痛みがなかなか治らない」「外反母趾で足に痛みがある」

タカスポ
タカスポ

「こんな悩みありませんか?」「その悩み…原因は足にあるかもしれません!」
「今回は当院でも行っている【インソール療法】についてのお話です。」

インソール療法(足整板療法)とは、足整板と呼ばれる矯正器具(インソールやオーソティックス)を用いて、足部機能の改善や症状の緩和を目的とする治療法です。手術や薬物療法に比べて、安全性が高く、副作用が少なく、症状の根本原因にアプローチし、根本的な改善を目指すことができます。足部機能を向上することにより、運動パフォーマンスの向上や、足への負担を軽減し、歩きやすさや快適性を向上させる効果もあります。

一般的なインソール療法の主な効果

【足部機能の改善】

足底アーチのサポート

足底アーチは、衝撃吸収と体重分散の役割を担っています。アーチの低下は、足底腱膜炎や踵骨棘などの痛みを引き起こす可能性が高い。インソールはアーチをサポートすることで、これらの痛みを軽減し、足部機能を改善します。

足底圧の不均衡解消

足底圧が偏ると、特定の部位に過剰な負担がかかり、痛みや炎症が発生する可能性があります。インソールは足底圧を分散することで、足部機能を改善します。

筋力バランスの調整

足部の筋力バランスが崩れると、オーバープロネーションや外反母趾などの状態を引き起こします。インソールは筋力バランスを調整することで、これらの状態を改善し、足部機能を改善します。

【痛みの緩和】

足部の異常は足部ー膝ー骨盤(股関節)ー腰ー脊柱と上行性に運動連鎖し、痛みや障害の原因となります。インソールは足部の異常を改善し痛みの原因を改善します。

足部の障害脚(膝・股)の障害身体・変形性障害
足底腱膜炎
アキレス腱炎
セーバー病
有痛性外脛骨
踵骨炎
シンスプリント
フットボーラーズアンクル
腸脛靱带炎
鵞足炎
ジャンパーズ・ニー
オスグッド・シュラッター病
シンディング・ラーセン・ヨハンソン病
変形性膝関節症
グロインペイン症候群
腰痛・坐骨神経痛
スポーツ障害
外反母趾
ハンマー趾
モートン病
扁平足
肩こり
一部抜粋

【その他の効果】

歩行や運動時の安定性を向上させ、疲労軽減やパフォーマンス向上、姿勢改善に効果があります。

タカスポの足整板療法

整板療法の治療法

当院の足整板療法は足病学の理論を基に、バイオメカニクス的に正しい脚の働きを矯正・整復することで身体の障害を改善させる装具療法です。従来のインソールは、衝撃の吸収が主な機能になるのに対し、当院のオーソティックスは足部のバイオメカニクスを基に専門的に評価を行い、理想的な動きにコントロールする医療用具です。下肢、足部の障害だけでなく全身の障害に効果のある治療法です。

ニュートラルポジションに整復する】

足整板療法は足部(距骨下関節)を中間位に整える治療法です。

痛みや傷害の原因は、足部の異常から生じる過度回内(オーバープロネーション)が過剰運動となり、運動連鎖によって下腿から全身へと負荷をかけ、筋や関節機能を低下させ身体アライメントに悪影響を及ぼし、時間の経過と共に身体機能を低下させ痛みが生じます。

足整板療法では足部の変動である過度回内に対し、足整補整具を用いて下肢に及ぼす過剰運動を軽減させ、痛みや障害は改善、軽減します。

足整板療法とは、例えば目の悪い方に眼鏡を掛け視力を補うのと同様、足部の変動に足整補整具を用いて足部機能を補うという治療法です。

足部中間位(ニュートラルポジション)とは

ルート理論

ルート理論は、立った状態(静止時立位)で下腿後面遠位の二等分線と踵骨の二等分線を基準線とし、距骨下関節中間位と設定しました。足部中間位(ニュートラルポジション)とは距骨下関節が中間位で距骨が内側・外側へも変位していない状態です。さらに歩行時には距骨下関節中間位(ニュートラルポジション)を基準に距骨・踵骨の動きを評価します。

【歩行時の距骨下関節の動きを整える】

距骨下関節は立体的な動き(足関節の内がえし・外がえし)を可能にする関節です。平均的可動域として踵骨は内反20°外反10°で、動きの割合は内反2で外反1の2対1の関係にあります。歩行時、距骨下関節は回内と回外を繰り返し、衝撃の吸収や、推進力を生み出します。足整板療法では特に距骨下関節2対1の運動に着目し、距骨下関節中間位に整復することで過度回内を抑制します。

足底(足趾)圧を改善し推進性と安定性を整える 】        

足底には3つのアーチが存在し、バランスや体幹の安定性、歩行時の衝撃吸収や推進性に大きな役割を持っています。立位、歩行時の足底圧を観察してみると、アーチの低下や踵重心、浮趾などの問題を抱えていることが多くみられます。足整板療法では距骨下関節をニュートラルにすることで足底圧を安定させ、足部の機能の向上を促します。

通常歩行の重心移動

  • 踵の外側から入る。
  • 距骨下関節の回内作用により内側方向に向かう。
  • 推進性を出す為、距骨下関節の回外作用により外側方向(小趾球)に向かう。
  • ウィンドラス機構に入るための重心移動。
  • ウィンドラス(巻き上げ)機構によって母趾球から母趾に抜ける

足整板療法で効果のある代表的な疾患

扁平足

扁平足とは、足底アーチが著しく低下している状態です。足底アーチは、歩行や立脚時に衝撃を吸収し、体重を分散する重要な役割を果たします。扁平足になると、足底アーチの機能が低下し、足の痛み(足底腱膜炎、踵骨棘など)や膝関節痛、腰痛、外反母趾などの障害や疲労感、バランス感覚の低下、スポーツパフォーマンスの低下などの機能障害を引き起こします。

扁平足は骨自体が変形しているものと代償的に内側アーチの低下したものがあり、オーバープロネーションが原因となります。足整板療法では足部をニュートラルに整復することで距骨下関節の過度回内を抑制し、内側アーチの形成を行います。

外反母趾

外反母趾(がいはんぼし)とは、足の親指(第一趾)が内側へ変形した状態です。親指の付け根が突出し、痛みや炎症を引き起こすだけでなく、歩行障害や靴擦れなどの問題も発生します。女性に多くヒールや合わない靴が原因と思われることが多いですが、実際は男性やスポーツ選手にも多くみられ、オーバープロネーションによって横アーチが低下し発生します。

足部の過度回内によって偏平足や開帳足が生じると第1趾列(中足骨)が内反・底屈します。推進早期、過度回内によって、固定された関節が背屈、回外してしまい亜脱臼して外反母趾になります。 (実際は様々な作用が複雑に絡み合っています。)

扁平足・外反母趾は合併することが多く、足整板療法によってニュートラルポジションに整復・固定することで原因となるオーバープロネーションを矯正していきます。

スポーツ障害

スポーツ障害とは、スポーツ活動中に発生する様々な外傷や障害です。ランニング、サッカー、テニスなど、多くのスポーツにおいて発生する可能性があり、オーバーユースやフォーム・バランスの不良、コンディション不良など様々な原因が考えられます。足部の不良やオーバープロネーションもその原因の一つで、足整板療法を行うことで症状の改善やパフォーマンスの向上、成長過程での足部改善にも効果的です。

特にシンスプリントやオスグッド、セーバー病、グロインペイン症候群など成長期にみられるスポーツ障害はオーバープロネーションが原因となることが多く、足整板療法を行うことで改善されています。

足整板療法の種類

当院では症状や足部の状態、年齢、スポーツ競技、靴の種類などによって処方するインソールを選択しています。

Formthotics

一番多く患者さんに処方しているインソールで、熱加工によってニュートラルポジションに整復します。足部に合わせて処方するため靴を選ばず入れ替えて使用できるのも特徴です。若干厚みがあり、ヒールカップの低いシューズに入れると踵が浮いてしまうのがデメリットですが、軽量で柔らかい素材のため足自体の負担も少なく取り扱いもしやすい素材です。

DSIS

お使いのインソールにパーツを組み合わせて処方するインソールです。動的評価を元に処方し、歩行時のエラーモーションを改善する為に様々なパーツを組み合わせ、理想の歩行の足の運動に改善していきます。インソール自体に処方する為、一つずつの靴に処方しなければならないのがデメリットですが、汎用性と自由度の高いインソールです。他のインソールと併用することも可能です。

Foot Fix

当院オリジナルのインソールで歩行時の運動を立体的にサポートすることができます。従来のインソールとは違い、足部を側面からサポートし、推進性と足趾圧の改善に効果的です。靴に直接処方する為、一つずつの靴に処方しなければならないのがデメリットですが側面からのサポートのため崩れにくいのが特徴です。

まとめ

足整板療法は、足部から全身の問題を改善する有効な治療法です。患者さん一人一人にあったインソールを処方して、足部をニュートラルポジション(理想的な足部)に整復、固定することで効果的に症状を改善し、パフォーマンスを向上させ、生活の質を高めることができます。なかなか治らない症状や足部の問題が原因となる疾患で悩みを抱える方は足整板療法をお試しください。

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