オスグッド・シュラッダー病とは

オスグッドは発育期の障害の中でも頻度の高い脛骨粗面(すねの上方)の骨端症です。10〜15歳前後の成長期に診られ、骨の急激な成長に筋肉や腱の成長が追いつかないことによる不均衡によって発生します。成長期にスポーツを繰り返し行うことで大腿四頭筋の筋緊張が強くなり付着部に牽引力が発生し炎症性の疼痛を発生させます。運動時の痛みが長期化することも多く、適切に治療する必要があります。
原因
大腿四頭筋の筋緊張
スポーツを繰り返しを行うことで大腿四頭筋(ももの前側の筋肉)が硬くなり、反復的な牽引力が脛骨粗面に加わることで炎症を引き起こします。特にランニングやジャンプを繰り返すサッカーやバレーボールなどに多く、疼痛が強くなると骨隆起を引き起こします。
膝のアライメント不良
足部の過回内(内側に倒れる動き)や足底アーチの不形成(扁平足)によって脛骨が内旋し膝関節が内反することで過剰な負荷がかかったり、衝撃の吸収がうまくできなかったすることで膝に負担がかかり痛みを発生させます。
小児はここがPoint!
脛骨粗面の骨端線(成長するための軟骨組織)は通常16〜18歳前後で閉鎖します。骨端線は大人の骨と違い脆弱な(柔らかい)組織の為、筋や腱の牽引力がかかることで骨隆起が発生します。骨隆起の炎症は疼痛が強いため、触れるだけでも痛みを発生させ、重症例では筋肉に牽引された骨が剥がれ落ちる骨折になることもあります。

- 成長期に激しいスポーツを行っている
- ダッシュやジャンプを繰り返しするスポーツをしている
- 練習が週に何回もあって身体を休めていない
- 練習後のクールダウンが不十分
- ストレッチが苦手で柔軟性にかける
症状
脛骨粗面(すねの上方)に限局した疼痛を主症状に運動痛、腫脹、発赤があり、骨隆起が診られます。
- すねの上の方が痛い
- 運動中、後に痛む
- すねの骨が出っ張ってきた
- 出っ張りを触るだけで痛い
- 痛い場所が熱を持つ

治療法
運動強度の調整が重要!!
痛みが出始めてから初期は運動強度を下げて安静にすることでその後の痛みが変わります。さらに脛骨粗面(痛みのでている場所)への牽引力を緩和するためにオスグットバンドやテーピングを処方します。特に運動を続ける選手は痛みを抑えるために重要です。
牽引力の原因となっている大腿四頭筋(ももの前側)の筋緊張緩和と柔軟性の獲得も目的としてスポーツマッサージやストレッチを行います。疼痛部の炎症に対してはアイシングや超音波治療、鍼灸治療を行います。
- 大腿部のマッサージ
- ストレッチ
- アイシング
- 超音波治療
- 鍼灸治療


足部のアライメント不良(過回内)を矯正するインソールを処方します。当院では一人一人に合ったオリジナルのインソールを処方します。痛みの改善とパフォーマンス向上に効果があります。
こんな選手には効果的!!
- バランスが悪く転倒しやすい
- 足の裏が扁平足
- 足の趾(ゆび)が曲がらない
- 膝が内側や外側に向いている
- 膝の他にも痛みがある
- ふくらはぎが張りやすい
