
「毎日だいたい1万歩は歩数を稼いで、しっかり『運動』しています」
「病院に行ったら『歩くことが一番の運動だから歩くように』と言われた」
「1日1万歩以上歩いているのに、膝や腰が痛くなった」

こんな声をよくお聞きします。
『1日1万歩』という目標は、1964年の東京オリンピック前後に発売された「万歩計」という商品名がきっかけで広まったと言われています。
近年でも厚生労働省が中心となって進めている「健康日本21」でも数値目標として掲げられているように歩行は健康に重要とされています。

今回はタカスポがお伝えする『歩行をトレーニングにする方法』です。
過去の記事はこちら↓↓↓
【歩き方がおかしいと身体の不調につながる?】タカスポ式の正しい歩き方!!
質を高める『1日1万歩』
なぜ『1日1万歩』なの?
厚生労働省が掲げる「健康日本21(第三次)」において、歩数目標が設定されています。年齢を重ねたとき、真っ先に衰えを感じやすいのが「歩く」「立ち上がる」といった移動の動作です。 実は、この「移動する力」の低下を防ぐことこそが、寝たきりにならず、自立した生活を送り続けるための最短ルートです。そのためには、日頃から積極的に歩くことが、最も効果的な「予防」になります。
【死亡率と歩数の関係(米国国立がん研究所等の研究)】
米国国立がん研究所(NCI)などが発表したデータでは1日8,000歩歩く人は、4,000歩の人に比べて全死亡リスクが約50%低減する。12,000歩の効果: さらなるリスク低下も見られますが、8,000歩を超えたあたりからリスク低減の「効率」が非常に良くなることが示されています。
【糖尿病・高血圧・肥満の予防日本国内の研究(中之条研究など)】
1日8,000歩(かつ、その中に中強度の歩行が20分含まれること)が、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防に極めて有効であるという結果が出ています。

1万歩ってどのくらいの運動なの?
【1万歩の運動強度(メッツ)】
『1日1万歩』は、自立した生活を守るための立派なリハビリです。ですが、トレーニングとしてはどうでしょうか? 小股でトボトボと歩く1万歩は掃除機がけと同程度の強度(約3.0〜3.5メッツ)です。歩くことが困難な方や高齢の方には素晴らしい運動ですが、これだけでは筋肉を維持・向上させる「トレーニング」にはなっていないのが現実です。

| 強度 | 運動量 | 効果 |
|---|---|---|
| ゆっくり歩行 | 料理や洗い物をする 洗濯物を干す・畳む 座って子どもと遊ぶ | 心肺機能が鍛えられない 筋力が維持できない 脂肪燃焼効率が低い |
| 普通の歩行 | 掃除機をかける 庭の草むしり 軽いガーデニング | 「健康維持」にはなるが、「強化」にはならない 筋力低下を食い止めるには不十分 身体が慣れてしまう |
| 速い歩行 | 階段を登る 軽いジョギング 本格的なラジオ体操 | 速筋繊維が目覚める 心肺機能の向上 エネルギー消費量は普通歩行の約1.6倍 |
【「歩数(量)」ではなく「歩き方(質)」が重要】
歩数は1万歩を超えているのに、膝や腰の痛みを抱えている方が大勢いらっしゃいます。 その原因の多くは「歩幅の減少」です。年齢によって歩幅は平均で約10cmも短くなります。歩幅が狭いまま歩数を稼ごうとすると、足首や膝への細かい衝撃回数だけが増え、かえって関節を痛めるリスクが高まります。
関節への負担
狭い歩幅は、股関節を十分に使えず、膝や腰だけで衝撃を吸収することになり、痛みの原因になります。
運動効率の低下
筋肉が大きく動かないため、1万歩歩いても思ったほど代謝が上がらず、コンディショニングとしての効果が半減してしまいます。
年齢との関係
加齢により筋力や神経伝達が衰えると、バランスを保とうとして歩幅は自然と狭くなります。意識的に歩幅を広げることは、脳と身体の機能を上げることになります。

スポーツとの因果関係
推進力(ストライド)は、あらゆる競技のパフォーマンスに直結します。後ろ足で地面を強く蹴り、大臀筋や体幹(腸腰筋)が強制的に使われ、股関節をしなやかに使う「機能的な歩幅」こそがパフォーマンスの土台となります。
ジュニア選手への適応
歩幅が狭いのは、足首の硬さやアーチの崩れが原因かもしれません。正しい歩幅で歩くことは、運動神経向上のトレーニングになります。
1万歩を『ワークアウト』に
歩行動作の改善
欧米のフィットネス文化では、日常の「活動(Activity)」と、意図的に負荷をかける「運動(Exercise)」を明確に区別します。 「歩いているから健康」という消極的な考え方ではなく、「週に何度、心拍数を上げ、関節をフル可動させたか」という『質』を問うのが世界標準のリテラシーです。
日本人の平均歩数が減っている今、国は「まずは8,000歩(健康日本21)」を目標に掲げています。しかし、皆さんに目指してほしいのはその先にある「動ける身体の質」です。
【歩行を「ワークアウト」に昇華させる2つのルール】
1.「歩幅」をあと10cm広げる
歩幅を広げると、運動強度は一気に4.0メッツ以上の「トレーニング」へと格上げされます。お尻(大臀筋)や体幹(腸腰筋)が強制的に使われ、1歩の推進力が変わります。
2.「心拍数」が上がる瞬間を作る
ずっと同じペースで歩くのではなくインターバルや、坂道や階段を混ぜる、「息が少し弾む速さ」で歩く区間を作ってください。
【「質」を高める!タカスポのおすすめ歩行トレーニング】
| パワーウォーク(大股歩行) 意識的に歩幅を+10cm。お尻(大臀筋)と体幹(腸腰筋)を強化させる。 |
| ノルディックウォーク ポールを使うことで上半身も活用。関節の負担を減らし、推進性をあげて全身運動をさせる。 |
| インターバル速歩 「3分速歩+3分並歩」の繰り返し。心肺機能に刺激を入れる。 |

まとめ
「1日1万歩」という数字は、健康への第一歩として素晴らしい指標です。しかし、私たちが本当に大切にしたいのは、その数字の先にある「何歳になっても自分の足で自由に動ける」という未来です。
今回お伝えしたように、ただ歩数を稼ぐだけの「移動」を、少しの意識で「トレーニング」に変えることができます。
- 「歩数」から「歩幅」へ
- 「掃除機がけ」から「ジョギング並みの強度」へ
- 「量」から「質」へ
歩幅をあと10cm広げる。その一歩の積み重ねが、血管を若返らせ、筋肉を呼び覚まし、10年後のあなたを支える強固な土台となります。
もし、「大股で歩くと膝が痛む」「理想の歩幅で歩けない」と感じたら、それは身体からの大切なサインです。無理に歩数を増やす前に、まずはインソールや適切なケアで足元の土台を整えましょう。
歩くことは、自分自身への最高の投資です。
その痛み、姿勢や足部に原因があるかもしれません!!
タカバンスポーツでは症状の改善だけでなく原因となる姿勢や足部のアライメントの問題にも対処しています。お気軽にお問い合わせください!!
