モートン病とは

モートン病(モートン神経腫)は、足の裏、特に第3趾(中指)と第4趾(薬指)の間に、しびれや痛み、灼熱感(焼けるような感覚)を感じる疾患です。
この部位を走行する足底神経が圧迫・摩擦されることで炎症が起こり、神経腫(しこりのようなもの)が形成されることもあります。
特に30〜50代の女性に多くみられ、ハイヒールやつま先の狭い靴を履く習慣がある方に発症する可能性が高いです。
原因
足底神経の慢性的な圧迫
足の指の間を走行する神経(足底神経の枝)が、靭帯や骨・靴の圧力によって圧迫されることで発症します。
圧迫が続くことで神経に炎症が起こり、痛みやしびれなどの神経症状が現れます。
シューズの影響
以下のような靴はモートン病を引き起こす原因となります。
- ハイヒール(前足部に体重が集中する)
- つま先の細い靴(指が押し付けられる)
- サイズの合わない靴(圧迫や摩擦が増える)
足部の構造的異常(アライメント不良)
分類
神経圧迫型
最も多いタイプで、靴や足の構造的問題により神経が持続的に物理的圧迫を受けるものです。神経そのものには大きな変化がないため、早期に対応すれば比較的改善しやすいです。
神経腫形成型
圧迫や摩擦が長期間続いた結果、神経周囲に腫瘤(神経腫)ができるケースです。このタイプは保存療法では治りにくく、外科的な処置が必要になることもあります。
症状
モートン病の主な症状は、歩行時や靴を履いたときに生じる足指の間の痛みやしびれです。
症状が進行すると、安静時でも違和感を覚えるようになり、長時間歩くことが困難になることもあります。
- 歩くと足指の間がピリッと電気が走るように痛む
- 足の裏に小石が入っているような異物感
- 指の間にしびれ、灼熱感、つっぱり感
- 靴を脱ぐと痛みがやわらぐ
- 指を横に開くと症状が軽減する

治療法
原因の特定と評価を行い、
早期改善を目指していきます!
モートン病は、痛み・しびれの発生機序に、足部の様々な要因が関与していることから二次的な障害であり、原因に対する治療が必要になります。
痛みやしびれに対しての治療では、足趾周りの筋緊張の緩和・ストレッチや患部に対しての徒手療法や物理療法・鍼灸療法などで炎症や疼痛を軽減させていきます。
同時にリハビリを行い足底・足趾のインナーマッスル強化、安定性・柔軟性向上などを目標に、変形予防に対する身体づくりを目指していきます。
また、足趾への負荷を下げるように日常生活指導やセルフケア、運動中の痛みに対しても、テーピングやサポーターを処方して痛みを抑制させます。
保存療法・リハビリテーション
- 下肢スポーツマッサージ
- 足部モビライゼーション
- マニュピレーション
- 罨法(冷・温熱刺激)
- 超音波治療
- アスレティックリハビリテーション
- 鍼灸治療
- 干渉波
- ハイボルテージ
- 微弱電流波(マイクロカレント)
- EMS
- 包帯固定・テーピング
- サポーター
コレクティブエクササイズ
インソール療法
足部の構造不良・機能低下が原因である場合には、足整板療法(インソール)や運動療法(コレクティブエクササイズ)を取り入れることで日常生活における予防や改善を目指していきます。
シューズを着用するスポーツでは、正しいスポーツシューズの履き方・足に合ったシューズの選択やフィッティングがモートン病を予防する要因になります。
足のアライメント不良・スポーツ時のパフォーマンス不良など、フィジカル機能に対しての修正が必要な場合は、インソールやコレクティブエクササイズでの効率的な統合運動能力の獲得を目指します。